タイトル 『父と母の結婚式』

以前。

GEISAI MUSEUM #2で展示した作品に『私的ゲルニカ』というのがあった。

ピカソのゲルニカを自分なりに現代にアレンジ、脳死と臓器移植の問題に踏み込んだものであったが

思い返せばあの頃の自分はナイフみたいに尖ってた(BYチェッカーズ)。

んで。

「反文明だ」とか、そんなイメージを持たれるのがいやで、 いっそのこと「超文明」なるものを描こうと思った今回。

崇拝する故・池田晶子氏の言葉の中からヒントを得た。

「脳死は人の死」という臓器移植法案に対し、

―――「人」が「脳」なら、臓器は「人」ではないのか、 臓器が「人」でないなら、臓器が死んでも、「脳」のみ生きていることで「人」ではないか ―――

そういって真っ向から現代医療の盲点を突いた。

と言っても、これはすでに10年前の著書でのお話。

高校生の頃から忘れることの出来ないこの問いを私は所有し続けたが、

氏が2007年2月23日に46歳という若さにして腎臓ガンで逝ってしまってから、

どうにもこうにもやりきれない気持ちがモヤモヤしてしまい、結果、 こういう作品が誕生してしまった。

―――「脳」のみ生きていることで「人」ではないか―――

近い未来、「生」の形などもはや人間のカタチをしていなくてもアリなのかもしれない。

…to be continued…